パブリックアートは欧米が早くから取り組んでいて、1930年代にスウェーデンが公共空間に設置したのが最初といわれます。また公共建築費の一定割合をパブリックアートに割く制度など国が支援しているのが欧米の特徴です。戦後、日本は駅前広場に裸婦像を設置するなど自治体や民間が担ってきましたが、パブリックアートの役割が広く社会に共有されずにきました。2000年、当協会が事務局となって日本画家の平山郁夫氏、JR東日本相談役の住田正二氏など芸術、学術、運輸、実業界の識者による特別委員会が「パブリックアートの振興に関する提言」をまとめました。提言では国が積極的にパブリックアート政策に取り組むよう求め、運輸大臣の森田一氏、文化庁長官の佐々木正峰氏のほか、経団連、美術大学など関連団体に提出されました。