

TOP パブリックアート事業
作品紹介
ユートピア
陶板レリーフ「ユートピア」 原画・監修:堀文子
福島空港 国際線 1階ロビー 2014年2月16日完成
※この作品は、宝くじの社会貢献広報事業として助成を受け整備されたものです。 原画を見る
堀文子日本画家鳥獣も、草も樹も、魚も昆虫も、人も、此の世の総ての生きものは、命の惑星「地球」から命を頂いたものです。原始の地球では生き物たちは、平等にその生命を全うしておりました。地球が人間だけのものでない事を忘れ、人間に都合の悪いものを殺し、地球を独占し始めた今の人間の驕りが許せず、私は総ての命が平等だった頃のユートピアを夢見て此の絵を描きました。
陶板レリーフ「ユートピア」が誕生するまで:
堀文子先生の原画・監修による福島空港 陶板レリーフ「ユートピア」は、クレアーレ熱海ゆがわら工房で制作されました。陶板レリーフは、日本古来の焼き物の伝統技術を生かし、それに大胆な凹凸を与えることより、陰影と釉薬の色彩がつくり出す迫力ある作品に仕上がることが大きな魅力です。今回の作品では、堀先生の色どり鮮やかで温かみのある画風を再現するために陶板レリーフで制作されることになりました。
絵画が平面的な作品であるのに対し、陶板レリーフの壁画は、絵画性だけでなく彫刻、工芸作品のすべてが取り込まれた総合的な芸術といえるでしょう。堀先生の描いた原画を陶板レリーフで表現するには、粘土に施される造形という「翻訳」作業が不可欠です。陶板レリーフには一般の陶器と違って特殊な土質と製作技術が必要です。
そして、陶板レリーフをつくるうえで大切なことは、焼き上がりの釉薬の発色がいかに美しく出るかということです。加えて、今回の作品では色というよりは色を含めたその質感、「触れてみたい」と思わせる感触のようなものを壁画の中で表現したいと、クレアーレ工房のスタッフは考えました。
その結果、「ユートピア」には、土と造形、釉薬と焼成技術が絡み合い、見る人を魅了する深い味わいが生まれました。作品に込める思いを表現し、どのような造形や釉薬を施すのか。堀先生と工房のスタッフはほぼ半年にわたり検討を重ね、原画が持つ色彩や造形を日本の焼き物(陶板レリーフ)に置きかえることができて、福島空港に優しく温かみのある空間がお目見えしました。
福島県知事
佐藤雄平
このたび、公益財団法人 日本交通文化協会のご協力により、福島空港旅客ターミナル1階ロビーに、日本を代表する画家である堀 文子先生の陶板レリーフ「ユートピア」が設置されることになりました。福島の空の玄関口にふさわしいシンボルとして、レリーフの制作設置にご尽力いただきました、堀先生をはじめ関係者の皆様方に対しまして深く敬意と感謝の意を表します。
さて、震災からまもなく3年を迎えますが、いまだ多くの県民の皆さんが県内外で避難生活を送っています。芸術・文化には、私達の心に潤いを与え、活力を生み出す力があります。この壁画には、自然の中で育まれる命の楽しい集いが表されており、復興に取り組む県民の皆さんへの堀先生からのエールであるともお聞きしております。
県では、現在、新たな総合計画「ふくしま新生プラン」を策定し、子どもたちが将来、「福島に生まれ、育ち、住んでよかった」と思える「夢、希望、笑顔に満ちた"新生ふくしま”」の実現に向け、県民の皆さんが復興を実感できるように、国、市町村、全庁が一体となり復興・再生に全力で取り組んでおります。福島県民はもとより、福島空港を訪れる皆さんがこの壁画から勇気と温かさをいただき、そのことがこの空港をより魅力的なものにし、誰からも愛されるものになると、大いに期待しております。また、この壁画が復興のシンボルとなり、利用される皆さんに末永く親しんでいただくことにより、福島空港のさらなる利用促進につなげてまいりたいと考えております。
公益財団法人日本交通文化協会 理事長
滝久雄
日本交通文化協会は、1948年の設立以来、芸術・文化の振興のために積極的な取り組みを続けてきました。その柱となっているのは、展覧会事業「交通総合文化展」、育英事業「瀧冨士基金・国際瀧冨士美術賞」、そして、パブリックアートの普及・振興事業です。
公共の空間に設置されるアートによって生まれる「誰もが無意識的に芸術に触れられる環境」がゆとりや潤いのある社会を実現する。その一助になることを願ってこれらの事業を続けています。
このたび福島空港に完成した陶板レリーフ作品は、鉄道百年記念事業の一つとして東京駅に設置した最初の作品から数えて500個目にあたり、パブリックアート事業にとって記念すべき作品となりました。
これを機に、当協会ではわが国の芸術・文化の振興により一層の貢献をすべく、私たちが掲げる大学院大学を中心とする芸術アカデミー構想、さらには「1%フォー・アーツ」制度化に向けた取り組み等を積極的に推進していきたいと考えております。
今回の作品に、そして500もの作品の実現にご協力いただいた多くの皆様に深く感謝するとともに、今後のパブリックアートの普及に変わらぬご理解とご協力をお願いいたします。
ステンドグラス
1982年 6月
JR東日本 郡山駅
「歴程」 (19.5km)
MAP >
ステンドグラス
1995年 9月
JRA 福島競馬場
「(無題)」 (59.9km)
MAP >