TOP パブリックアート事業 作品紹介 過ぎゆくもの
ステンドグラス「過ぎゆくもの」 原画・監修:山本容子
さいたま市 鉄道博物館 エントランスゾーン2F 2007年10月14日完成 原画を見る
山本容子銅版画家『過ぎゆくもの』をかたちにするにあたって
2007年10月14日、さいたま市にオープンする鉄道博物館のためのアートワークを担当させていただくことになり、鉄道をテーマとした縦3メートル・横10メートルのステンドグラスを、銅版画に着彩した原画をもとに制作しました。
このお話をいただいた時、鉄道に疎い私は、どのようにしてその世界に近づこうかと頭を悩ませました。その時、脳裡によみがえってきたのが、かつて読んだ宮沢賢治、夏目漱石、内田百閒、宮脇俊三といった作家たちの作品でした。その読書体験を生かせないだろうか。――そこで、思いついたのは次のようなアイディアでした。
ステンドグラス制作にあたって、まず、現代の書き手たちに鉄道にまつわるエッセイを書き下ろしていただく。そして、そこからインスパイアされた世界を描くというコラボレーションの形です。
さまざまな魅力にみちた鉄道ですが、火と水がつくりだすエネルギーを人が利用して、鉄の箱が動くという、原初のメカニズムに大いなる感動を覚えます。谷川俊太郎さんの詩「過ぎゆくもの―SL挽歌」を基調に、十点のそれぞれが独立した作品でありながら、全体が一枚の絵となるように描いてみました。
十篇のエッセイと十枚の絵によって、皆さんの記憶の中にある鉄道に生き生きとしたかたちを与えられたらと願っています。
ステンドグラスは太陽の力で輝きを増します。鉄道博物館に足を運んでいただき、光あふれる絵に包まれるひとときを過していただければ幸いです。
ステンドグラス
1982年 6月
JR東日本 大宮駅
「光と水と生命」 (1.9km)
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ステンレスモニュメント
1985年 10月
JR東日本 大宮駅
「行きかう・線(まめの木)」 (1.9km)
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