TOP パブリックアート事業 作品紹介 新生大阪の門-ハッピーゲート
モニュメント「新生大阪の門-ハッピーゲート」 制作:伊藤隆道
大阪ターミナルビル アクティ大阪(現在非展示) 1983年4月完成
伊藤隆道彫刻家 この造形は虹の形をした彫刻である。橋を表現したモニュメントであり、くぐり抜けられる門としての小さな建築でもある。わずかではあるが光をもつ照明とも言えるし、この地を訪れる人達に対する歓迎のアーチでもあり、背景にある壁面との関係を考えるならレリーフの一部でもある。
それらの機能や目的の全てをこの造形の中に含めたいと考えたのは、この空間を利用する人や通過する人々がそれぞれ異なった意識や目的でこの空間や造形と接するからである。
それぞれの人達がそれぞれ自分に合った解釈でこの作品とかかわり合い、自分の意識や目的と結びつけて欲しかったからである。
旅立つ人にとっては旅の始まりの表紙であり、帰ってくる人にとってはなつかしい我家の門であり、出合いの人々には虹の懸け橋であり、勝利した人には凱旋の門であっても良い。
とにかく、作者の私はこの造形で人々に語りかける強い言葉としてのかたちを用意せず、単純なフォルムの中に人々がそれぞれの言葉を作ることを期待したかったのである。
この12本の線は大阪にとっても、そこに生きる人々やかかわる人々にとっても、これから始まる何かのスタートの1本の白い線であり、ゴールの細い1本のテープかもしれない。1本の線に大きなドラマがあるように、この12本の線が人々のすばらしいドラマの罫線でもあって欲しい。