大阪ステーションシティ サウスゲートビルディング「世界にひらく大阪」
せかいにひらくおおさか
アルミキャスト

アルミキャスト「世界にひらく大阪」 監修:井手宣通/原画:角卓/制作:ルイ・フランセン
大阪ステーションシティ サウスゲートビルディング 1983年4月完成

作家より

井手宣通洋画家 大阪駅にアルミキャストレリーフを制作することになり、その原画作家をだれにお願いするかというご相談に見えたとき、私は地元関西の重鎮、角卓先生をご推薦申しあげました。私は、以前横浜駅の東口に陶板レリーフを制作する際、やはり日本交通文化協会のお世話で類・フランセン先生と一緒にお仕事をさせていただきました。その時のご縁でご相談に見えたと思いますが、何しろ壁画というのは、絵画作品と違って造形の作業が不可欠となります。そういう意味ではフランセン先生という力強い味方がありますので、角卓先生も思い切ったお仕事をされるに違いないという自信がありました。しかも、大阪の文化、歴史に詳しい先生のことですから必ずや大阪駅にふさわしい作品にしてくださるとも思いました。聞くところによりますと、先生は、何度も窯元に足を運ばれ最後まで熱心に取り組まれたご様子です。素晴らしいアルミキャストレリーフの完成に対し、心からおめでとうを申しあげます。 (1983年4月)

 

角卓洋画家 大阪の姉妹都市の風俗・文化を表現する際、間違いがあってはいけないと、各国の領事館に行き、文献を調べたり話をきいたりし、その度に井手宣通先生にご指導を仰ぎながら下絵準備を進めていった。幸い、類・フランセン先生のご協力を得て、造形画の段階でのまとめがようやくにして終了し、7カ国をうまくアレンジすることができた。例えば大阪を画面の中心に据え、文楽・天神祭・大阪城の文化的価値を考えたり、上海においては万里の長城・港など、その国を代表する文化的シンボルを、具体的に配置するよう心がけた。
 アルミキャスト製作は、京都の実績ある工房で行われたが、原画から造形・製作に至る一致団結した並々ならぬ苦闘の成果が、こうして大阪駅のパブリック・スペースを彩る壁画となったことは大変うれしい。大衆に愛され親しまれながら今後南西着物長い時間を大衆と共に生きていくことを祈る気持ちでいっぱいである。 (1983年4月)

 

ルイ・フランセンパブリックアート作家(壁画、ステンドグラスなど) ドーム状の壁面に何らかの壁画を製作する場合、もっとも大きな制約は素材が軽くなければいけないということです。万が一でも落ちるというおそれのある壁画は、それだけで失敗と呼んでも差しつかえないでしょう。環境にもっとも適した材料を選ぶことは、良い壁画づくりのための第一歩であり、原点なのです。その意味で、この場所にアルミを選んだ第一の理由がお解りいただけると思います。もう一つの理由はアルミがさまざまな肌合いの違いを表現してくれるからです。このアルミキャストレリーフは、二種類の仕上げの違いにより面白さを出しています。レリーフが主体の造形的な部分では、ステンレスのようにきれいに磨きあげてシャープな味を、背景となる部分では地肌を生かしたソフトな味です。そうして遠くから見ると抽象的に見えるけれども、近くから見るとディテールが見える、そんな奥行きのある作品にしたつもりです。(1983年4月)

作品データ

監修井手宣通 企画日本交通文化協会
原画角卓 製作クレアーレ熱海ゆがわら工房
制作ルイ・フランセン 協賛大阪ターミナルビル
場所大阪ステーションシティ サウスゲートビルディング マップ ニュース
設置時期1983年 4月
種類アルミキャスト
サイズ縦2.9m × 横22.6m
キーワード

作品データ

監修井手宣通
原画角卓
制作ルイ・フランセン
場所大阪ステーションシティ サウスゲートビルディング マップ
設置時期1983年4月
種類アルミキャスト
サイズ縦2.9m × 横22.6m
キーワード
企画日本交通文化協会
製作クレアーレ熱海ゆがわら工房
協賛大阪ターミナルビル
ニュース

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