TOP パブリックアート事業 作品紹介 緑の川風
彫刻「緑の川風」 制作:伊東傀
JR東日本 立川駅 東改札内 1982年9月完成
伊東傀彫刻家彫刻と裸体――それは、作家も一般大衆も何の抵抗もなく、不思議とも思われないままに、一体となって存在し続けて来た。
人体は造化の神の創った自然の一部として、最も美しいものの一つであることは云うまでもなく、従って、彫刻美の表現の対象として、これを採りあげ、これから学んで来たのは当然のことであるが、大切なことは、裸体そのものを創るというよりも、人体を観察することによって、自然がもつ、有機的ものの在り方を学び採り、彫刻という立体をより有機的存在とせしめる為である。――偉れた彫刻は極めて有機的に空間を占有しているものである――従って作家は、人体に限らず動物その他自然の在り方から学び続けなければならないが、それはあくまでも己れの希う彫刻の糧と為すものであって、作家の希う方向は各々に異なるものであり、私が余程以前から裸体を創らないのは、人間の日常生活が裸体で為されているわけではないという現実感の他に、例えば、或るときは水着を着せることによって、量の凹凸の単純化を考えたり、そして私が着衣の女をテーマにするのは、着衣そのものの形態の妙を含めて、私が希うホルムの助けとしたいが為である。(1982年9月 傀記)
詩人
三ツ村繁
爽やかな若いひとよ
そんなにおしゃれして
そよそよと川風のように
緑化されるこの街のなかから
装い新しいこの駅を通りすごして
いつも何処に行かれるのか
そしてまたこの日は
そのようにうきうきして
どなたをお待ちなのか
緑芽ぶきのひとよ
不滅の巨匠、コンスタンティン・ブランクーシュは「私の彫刻を尊敬してはいけない。愛してそれに遊びたいと思わなければいけない……」と云っている。
そのような意味で、私は傀の作品に愛情を抱いている。その思いを述べたのがこの抒情である。この「緑の川風」は必ず多くの人々にも愛されると思うのである。
立川市長
岸中士良
多摩地区の交通の要衝であり、交通結節点として重要な役割をもつ立川駅に伊東傀先生の彫刻モニュメント「緑の川風」が設置される運びとなりました。
立川の新しいイメージをシンボライズしたこのモニュメントは、立川駅のシンボルとなり駅を利用する皆様の安全を祈り、首都圏の中核都市として発展する立川市の将来を見守ってくれるものと確信いたします。
制作の伊東先生はじめ、国鉄・立飛企業(株)ならびに(財)日本交通文化協会に心から敬意を表します。
国鉄立川駅駅長
長谷川忠道
私どもの念願であり、また多くの方々の期待の中で進められてきた立川駅の新駅舎が完成し、この度その記念の立派なモニュメントがご披露されることになりました。毎日駅をご利用いただくお客さまに見ていただき、せめて一服の清涼剤になれば、と念じております。立川駅周辺の発展ぶりは、まさに日進月歩の勢いでありますが、立川にはいまだ武蔵野の美しいたたずまい、多摩川の清いせせらぎが残っております。本作品「緑の川風」はそうした立川ならではの風光を象徴したものと聞いておりますが、モダンな駅のコンコースに見事に調和し、皆さまに心から喜んでいただけるものと自信を深めております。本当にありがとうございました。
陶板レリーフ
1983年 4月
JR東日本 立川駅
「光と緑の祀り」 (12m)
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彫刻(花崗岩)
1991年 3月
立川市制五十周年記念 憩いの場
「時空」 (365m)
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