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TOP 矢印 ニュース: 名古屋臨海高速鉄道あおなみ線 金城ふ頭駅に陶板レリーフ作品完成

世代を超えて息づく唯一無二の色彩が蘇る
『太陽と羽ばたく港まち』公開

地元ゆかりのアーティスト 天津恵氏の遺作をリクリエイト

 当協会と名古屋臨海高速鉄道株式会社(愛知県名古屋市、代表取締役社長:福田豊)は、一般財団法人日本宝くじ協会の「社会貢献広報事業」の助成を受け、あおなみ線の金城ふ頭駅に陶板レリーフによるパブリックアートを設置しました。作品のタイトルは『太陽と羽ばたく港まち』です。2025年3月26日(水)に公開します。

生命の旅
太陽と羽ばたく港まち
大型陶板レリーフ作品『太陽と羽ばたく港まち』

 陶板レリーフの原画は、地元ゆかりのアーティストで「色の魔術師」と称され、国際画家として活躍した故・天津恵氏のアトリエで保管されている遺作をもとに制作したものです。天津氏の作品に見られる太陽や街並みなどのモチーフが赤や黄色を基調としたダイナミックな配色で彩られています。また、名古屋港の金城ふ頭から広がる外海を泳ぐ「さかな」や、渡り鳥の経由地となる干潟を象徴する「とり」が組み合わさり、金城ふ頭の未来へのエネルギッシュな発展を表現しています。

 本作品の魅力は、天津氏ならではの色彩の豊かさが、造形技術と釉薬の繊細な表現によって巧みに、そして丁寧に引き出されている点です。
 作品は、職人がよく練り合わせた粘土を踏み、一枚の粘土板のようにしてから形作られています。完成した粘土板は248ピースに切り分けられ、素焼き、施釉(せゆう)、本焼成を経て完成します。色彩や風合いを最大限に引き出すために、切り方はモチーフをなぞったカットではなく、意図的にずらしてカットすることで、釉薬のにじみや色のまだら模様が生まれ、豊かな表情に仕上がっています。また、原画で表現されている建物やモチーフを形作る四角に微妙な高低差をつけたり、あらかじめ表面にテクスチャーを加えているので、釉薬の溜まりができ、自然な陰影が現れて、色彩に奥行きや深みが加わっています。
 釉薬は約30種類を使用し、赤や黄色を基調に鮮やかな色彩を表現しています。特に、原画の黄色を再現するために、緑色を塗ってから黄色を重ねることで、趣のある黄色に仕上げています。

 陶板レリーフは改札内に設置するため、通行の妨げにならないようにボリュームを抑えつつ、平面的でありながら立体感を持たせる工夫が施されています。特に中央に位置する白い格子部分は、線を一本一本浮き上がらせて立体感を生み出しています。

 「太陽と羽ばたく港まち」を通じて、金城ふ頭駅を訪れる人々の心がはずみ、界隈の魅力がより一層高まることを期待しています。また、訪れるたびに新たな発見や感動があり、地域に活気をもたらす作品となることを願っています。

 なお、本作品は、日本交通文化協会による561番目のパブリックアートとして企画しました。天津氏の原画をもとに、クレアーレ熱海ゆがわら工房の職人が陶板レリーフの原画を制作し、製作まで手がけました。

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