国内13大学、海外2大学から16名の受賞学生が参加
![明治記念館にて](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_01.jpg)
![明治記念館にて](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_01.jpg)
11月19日、第45期国際瀧冨士美術賞の授賞式が東京都港区の明治記念館で開かれました。
今年は国内の受賞学生と指導教員、海外の大学からも学生と教員を一部お招きしました。
授賞式では主催者を代表して当協会の滝久雄理事長が「いま世界は理不尽な暴力が横行し、分断と対立と憎しみを広げています。だからこそ文化・芸術の重要性がより高まっていると思います。アートは多様性を認め、共生と分かち合い、融和、そして連帯へと人びとをいざないます。その意味でアートは平和の砦であり、優れた安全保障でもあるのです。美術賞の第一期受賞者で彫刻家の青木野枝さんが、何年か前の授賞式で『アーティストは職業ではなく生き方です』とおっしゃいました。まさにあなた方は生き方としてアーティストの道を踏み出そうとしており、この賞が新しい道を切り開く跳躍台になるなら、賞の創設者としてこんな嬉しいことはありません」とあいさつしました。
![左:協会理事長 滝久雄 中:日展理事長 宮田亮平先生 右:東京藝術大学学長 日比野克彦先生](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_02.jpg)
![左:協会理事長 滝久雄 中:日展理事長宮田亮平先生 右:東京藝術大学学長日比野克彦先生](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_02.jpg)
中:日展理事長 宮田亮平先生
右:東京藝術大学学長 日比野克彦先生
来賓を代表して本賞の審査員で日展理事長の宮田亮平先生が「この受賞を期に新たな自分の世界観、美しさを作って、感動を与えてください。それが大きくなっていったら、パブリックアートで多くの人たちに喜びを感じさせてくれる世界観ができるのかなという気がします」と祝辞を述べられました。
続いて優秀賞・審査員特別賞の受賞者が一人ずつ演壇に呼ばれ、滝理事長から賞状と目録を受け取りました。また、グランプリに選ばれた東京藝術大学の吾妻怜さんと、海外の大学を対象とした国際グランプリに選ばれたドイツ シュトゥットガルト公立美術アカデミーのイリス ダイベルトさんには改めて賞状と目録が授与されました。
式の最後に、審査員で東京藝術大学学長の日比野克彦先生が「国際瀧冨士美術賞は社会の中でのアートの役割というものを形にし、賞を与えることによって奨励し育んでいく賞だなと改めて実感しております。アートの力で世界をひとつにと思いますので、若いアーティストの方々、これから10年、20年、50年、素晴らしい世界をみんなで一緒に作っていきましょう」と受賞者を激励されました。
![左:グランプリ、東東京藝術大学の吾妻怜さん 右:国際グランプリ、独・シュトゥットガルト公立美術アカデミーのイリス ダイベルトさん](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_05.jpg)
![左:グランプリ、東東東京藝術大学の吾妻怜さん 右:国際グランプリ、独・シュトゥットガルト公立美術アカデミーのイリス ダイベルトさん](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_05.jpg)
右:国際グランプリ受賞の独・シュトゥットガルト公立美術アカデミー イリス ダイベルトさん
授賞式後の記念撮影に引き続き、着席形式で懇親会が開催されました。審査員で本賞第13期受賞者でもある、彫刻家で武蔵野美術大学客員教授の棚田康司先生が「過去、この賞は日本を代表する作家が多く受賞されています。ということは、皆さんが期待される立場になったということです。これから作品を通して社会へ、世界へ新たな視点を提示していかれることを願い、お祝いの言葉とさせていただきたいと思います」と述べ、乾杯の杯を上げました。
歓談中には前日のパブリックアート工房見学の様子や、ヤノベケンジ氏など過去の美術賞受賞者のパブリックアート作品をスクリーンで紹介、受賞学生一人ひとりが受賞作品の映像を前に制作のコンセプトや将来への抱負を語り、温かい拍手を浴びました。それに引き続いて、指導教員を代表して3人の先生にスピーチしていただきました。また今年は第6期受賞者の金工作家で金沢美術工芸大学教授、第71回日本伝統工芸展にて日本工芸会総裁賞を受賞された原智先生によるごあいさつも行われ、「昔からあるものに新しいことを組み合わせ、それが積み重ることで文化を引き継いだうえでの新しい表現に結びついていくと思います。この賞は皆さんにとってとても大きいと思いますが、ここから先が大事です。とにかく続けてよい作品を生み出していくという意識を持っていただければなと思います」と述べました。
最後に日本藝術院会員・洋画家の大津英敏先生が「今日の式典で各大学での勉強のあり方がよく理解できて、とても私は感動いたしました。受賞者の皆さんは芸術文化は世界の人々を大変幸せにするということを信念としてお持ちになって、これからも勉強なさってください」とのあいさつで会を締めくくりました。
![左:彫刻家・武蔵野美術大学客員教授 棚田康司先生 中央:金工作家・金沢美術工芸大学教授 原智先生 右:日本藝術院会員・洋画家 大津英敏先生](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_03.jpg)
![左:彫刻家・武蔵野美術大学客員教授 棚田康司先生 中央:金工作家・金沢美術工芸大学教授 原智先生 右:日本藝術院会員・洋画家 大津英敏先生](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_03.jpg)
中央:金工作家・金沢美術工芸大学教授 原智先生
右:日本藝術院会員・洋画家 大津英敏先生
![左:東京藝術大学 丸山智巳教授 中央:シュトゥットガルト公立美術アカデミー カトリン プラヴチャック教授 右:ラサール芸術大学 イアン ウー教授](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_04.jpg)
![左:東京藝術大学 丸山智巳教授 中央:シュトゥットガルト公立美術アカデミー カトリン プラヴチャック教授 右:ラサール芸術大学 イアン ウー教授](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_04.jpg)
中央:シュトゥットガルト公立美術アカデミー カトリン プラヴチャック教授
右:ラサール芸術大学 イアン ウー教授
なお、授賞式の前日には受賞者と指導教員が「クレアーレ熱海ゆがわら工房」(静岡県熱海市)を見学し、工房のスタッフから陶板とステンドグラスのパブリックアートがどのように作られるか説明を受けました。このあと陶板とステンドグラスを使ったワークショップで作品を造り、これらは懇親会会場に飾られました。
![クレアーレ熱海ゆがわら工房でステンドグラスと陶板レリーフの制作現場を見学](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_06.jpg)
![クレアーレ熱海ゆがわら工房でステンドグラスと陶板レリーフの制作現場を見学](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_06.jpg)
右:ステンドグラス制作現場を見学
![左:クレアーレ熱海ゆがわら工房で制作を見学 右:陶板とステンドグラスでアートワーク](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_07.jpg)
![左:クレアーレ熱海ゆがわら工房で制作を見学 右:陶板とステンドグラスでアートワーク](/wp-content/uploads/2024/12/news20241209_07.jpg)
右:陶板とガラスのピースでアートワークを造るワークショップ
なお、第45期 国際瀧冨士美術賞は文化庁より後援を受けております。