国内13大学、15名の受賞学生が参加


11月12日、第43期国際瀧冨士美術賞の授賞式が東京都港区の国際文化会館で3年ぶりに開かれました。
例年は国内外の受賞学生と指導教員を招待していますが、今年は国内の受賞学生と指導教員のみお招きしての開催となりました。
授賞式では主催者を代表して当協会の滝久雄理事長が「コロナ感染もあって授賞式を行うのは3年ぶりとなります。残念ながら海外の受賞者と指導教員の方はお招きできませんでしたが、国内の受賞者の皆さんとこうして授賞式ができるのは大変うれしいです」「文化・芸術は世界共通のコミュニケーション・ツールとしての重要性をますます強めています。アートは国境を越えて人びとの心を打ち、連帯へと人びとをいざないます。その意味でアートは平和の砦(とりで)でもあると私は考えています。受賞者の皆さんがアートをツールに新しい時代を切り開いていく跳躍台に、この賞が些かなりともなるなら、国際瀧冨士美術賞の創設者としてこんな嬉しいことはありません」とあいさつしました。


中:東京藝術大学名誉教授 宮田亮平先生
右:東京藝術大学学長 日比野克彦先生
来賓を代表して本賞の審査員で東京藝術大学名誉教授の宮田亮平先生が「瀧冨士美術賞の素晴らしいところは、教師と学生との連携があることです。学生は育てられ育まれ、ゆくゆくは教師を超えていきます。師を超えることこそ弟子の生き様だという気持ちを持って、先生方とともに世界に対して日本の文化芸術を発信していただけたらとてもうれしく思います」と受賞者を激励。続いて優秀賞・審査員特別賞の受賞者が一人ずつ演壇に呼ばれ、滝理事長から賞状と目録を受け取りました。また、グランプリに選ばれた広島市立大学の鬼河ひなたさんには改めてグランプリの賞状と目録が授与されました。
式の最後に、審査員で東京藝術大学学長の日比野克彦先生が「若き芸術家たちの力が未来を作っていく、あなたたちにはその力があると思ってます。まだまだ我々も頑張りますので、一緒に芸術の力で未来を創っていければと思います」と祝辞を述べられました。


授賞式後の庭園での記念撮影に引き続き、着席形式で懇親会が開催されました。審査員で日本藝術院会員・洋画家の大津英敏先生が「受賞された皆さんはこの賞を励みにして、これから先、しっかりと勉強を続けていかれることを願っております」と述べ、乾杯の杯を上げました。歓談中には前日のパブリックアート工房見学や交通総合文化展2022の招待作家、第37期受賞者の小見拓さんの作品展示の様子をスクリーンで紹介しました。また、学生一人ひとりが受賞作品の映像を前に制作のコンセプトや将来への豊富を語り、温かい拍手を浴びました。最後に当協会の西川恵常任理事が「協会はこれからも受賞者の皆様とのつながりを大切に活動してまいりますので、どうぞよろしくお願いいたします」とのあいさつで会を締めくくりました。




なお、授賞式の前日には受賞者と指導教員が「クレアーレ熱海ゆがわら工房」(静岡県熱海市)を見学し、工房のスタッフから陶板とステンドグラスのパブリックアートがどのように作られるか説明を受けました。このあと陶板とステンドグラスを使ったワークショップで作品を造り、これらは懇親会会場に飾られました。


右:陶板とガラスのピースでアートワークを造るワークショップ