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TOP 矢印 ニュース: 「交通総合文化展2022」の招待作家は小見拓さんに

国際瀧冨士美術賞第37期受賞者で彫刻作家として活躍

10月にJR上野駅でパブリックアート普及活動特別展として展示されます

 

 今年の「交通総合文化展2022」(10月19日~10月24日)に併設のパブリックアート普及活動特別展の招待作家として、国際瀧冨士美術賞の第37期(2016年)受賞者で彫刻作家の小見拓(こみ たく)さんをお迎えすることになりました。 

 小見さんはこれまで主に石材で彫刻作品を制作してきましたが、今回、初めてステンドグラスと金属の使用にチャレンジする作品『変形態_平面』を出品します。小見さんは、2022年3月に「クレアーレ熱海ゆがわら工房」(静岡県熱海市泉)で、工房のスタッフからパブリックアートで用いられるアンティークガラスの素材の特性や表現に関する詳しいレクチャーを受け、作品の構造や展示方法のプランニングを検討し、10月の作品発表に向けて制作を行っています。

 

左:工房リーダーでステンドグラス作家の中野さんによるステンドグラスについてのレクチャー工房リーダーでステンドグラス作家の中野さんによるステンドグラスについてのレクチャー    右:太陽光のもとでステンドグラスの映り込みを確認
左:工房リーダーでステンドグラス作家の中野さんによるステンドグラスについてのレクチャー    右:太陽光のもとでステンドグラスの映り込みを確認
左:工房リーダーでステンドグラス作家の中野さんによるステンドグラスについてのレクチャー
右:太陽光のもとでステンドグラスの映り込みを確認

 小見拓さんは1991年新潟生まれ。長岡工業高等専門学校 電子制御工学科を卒業後、武蔵野美術大学彫刻学科に進学しました。武蔵野美術大学では石材を中心に彫刻の制作を行い、2016年に国際瀧冨士美術賞の優秀賞を受賞します。学部卒業後は東京藝術大学大学院に進学、2019年に美術研究科彫刻専攻を修了し、現在は武蔵野美術大学のスタッフとして勤務しながら彫刻作品の制作を続ける、今後の一層の活躍が期待される作家です。
 小見さんはこれまで、生き物の形を成り立たせている内部の構造に強い関心を持ち、作品のテーマとしてきました。生物を内側から支える骨格などから一部分を抽出することで生まれたフォルムを、大きなひとつの石材の塊から彫り出すことで、滑らかで有機的なイメージと抽象的な美しさを持つ作品を多く発表しています。
 また、学生時代に培った設計に関する技術や知識、デザインの視点を活かし、「変形態」というテーマでの作品も制作しています。大小様々な複数のパーツを組みあげた精巧な構造体を作り、空間内で様々な形に展開・変容させていくことで、人工的なフォルムの構造体の美しさと複雑な空間性をあわせもつ作品の制作も行ってきました。
 今回の展示では「変形態」をテーマとして、ステンドグラスやステンレス等の金属を組み合わせた作品を発表する予定です。

 アートとテクノロジー、デザイン的な視点が一つに重なり合うからこそ生まれる、小見さんならではのオリジナリティ溢れる新しいパブリックアートのかたち。
 ぜひ多くの方にご来場いただき、上野駅の文化展の会場で、小見さんによる展示空間を楽しんでいただけたらと思います。

 

左:『人態』104×135×70cm、黒御影石、2017年  右:『変形態-円柱』可変(円柱:14.5×8×8cm)、アクリル板・ABS樹脂・ネジ・ナット、2015年
左:『人態』104×135×70cm、黒御影石、2017年  右:『変形態-円柱』可変(円柱:14.5×8×8cm)、アクリル板・ABS樹脂・ネジ・ナット、2015年
左:『人態』104×135×70cm、黒御影石、2017年
右:『変形態-円柱』可変(円柱:14.5×8×8cm)、アクリル板・ABS樹脂・ネジ・ナット、2015年

「交通総合文化展2022」は10月19日から10月24日までJR上野駅中央改札口外グランドコンコース特設会場で開催されます。国際瀧冨士美術賞の受賞者を交通総合文化展のパブリックアート普及活動特別展に招待するようになったのは2017年からで、この年は瀧冨士美術賞(現在の国際瀧冨士美術賞)の第1期(1980年)受賞者の彫刻家・青木野枝さんでした。小見拓さんは招待作家としては6人目となります。

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