地元ゆかりの漫画家 竹宮惠子氏が原画・監修を務めた
大型ステンドグラス作品
徳島阿波おどり空港・旅客ターミナルビル3階出発ロビーに設置
日本交通文化協会と徳島空港ビル株式会社が制作し、徳島阿波おどり空港旅客ターミナルビル3階出発ロビーに設置した大型ステンドグラスのパブリックアート作品が3月7日(月)に公開となりました。
作品のタイトルは『ZOMEKI – 悠久の二拍子 – 』で、地元・徳島出身の漫画家である竹宮惠子氏が原画・監修を務め、約2カ月かけてオリジナルの原画を描き下ろした作品です。
世界三大潮流のひとつといわれる鳴門の渦潮を背景に、日本を代表する伝統芸能として知られる、二拍子の軽快な阿波おどりのお囃子“ぞめき”に合わせて、あでやかに、しなやかに、生き生きと舞っている踊り手たちを見に、竹宮氏を代表する漫画8作品から、総勢30人のキャラクターたちが集っている作品となっています。
縦2.7メートル、横9.0メートルにもわたる大型のステンドグラスは、その原画をもとに静岡県熱海市にあるクレアーレ熱海ゆがわら工房で、6人のステンドグラス職人によって製作されました。
作品は全50色1,800ピースにおよぶ手吹きのアンティークグラスで構成され、その中でも鳴門の渦潮には使用しているガラスのうち23色1,000ピースを超えるガラスを費やしています。コントラストを意識し、青色系統のガラスを細かく切り分けて濃淡をつけ、奥行きのある大迫力の渦潮を表現しています。徳島県のシンボルカラーの藍色も、激流の表現に効果的に使われています。
また、踊り手やキャラクターは原画の再現性を高めるために、筆による絵付けが施されています。特に、原画でキャラクターの髪の毛や洋服などで使われているスクリーントーン*による微細な点や線も、ガラスに筆で一つ一つ丹念に描き込んで表現しています。絵付けには4カ月近い月日をかけて製作しています。
竹宮氏が表現する繊細で美しい中に強さのある徳島の情景は、太陽の光を通して目の前に広がり、見る人の心を魅了します。
*スクリーントーン:網点や模様、地紋、線、グラデーションなどが印刷された粘着シート。切り抜いて漫画やイラストの原稿に圧着して使用する画材のひとつ。
なお、本作品は当協会が設置したパブリックアートの550作品目にあたり、1972年に東京駅に第1号となるパブリックアート作品( ステンドグラス作品『天地創造』)を設置してから50周年にあたる年の記念すべき作品にもなっています。
この作品は公益財団法人日本交通文化協会が企画し、一般財団法人日本宝くじ協会の社会貢献広報事業の助成を受け整備されたもので、日本交通文化協会から徳島空港ビル株式会社に寄贈されました。