1,000人を対象に、「パブリックアート」や「1% FOR ART」に関する認知率や意識を調査しました。
わたしたち公益財団法人 日本交通文化協会は2018年10月、「パブリックアート」について、15歳から69歳の男女1000人を対象に調査を実施しました。パブリックアートの普及・振興を事業の柱の一つにしている当協会としては、人々がどのような認識をパブリックアートについて抱いているか知りたいと思いました。今後もこの種の調査を折々に行い、協会の活動に生かしていきたいと思っております。
以下、調査結果の概要になります。
① パブリックアート認知と効用について
パブリックアートという言葉を知っていた人は半分ほどでしたが、オブジェやステンドグラスといった公共空間に展示されるアート作品に関わる何かしらの言葉を知っている人は9割おり、公共空間に芸術作品が設置される状況は多くの人に認識をされていました。
パブリックアートがあることで、「芸術やアートを身近に感じられる」や「その空間・施設のイメージや文化的価値が向上する」と回答した人が多かったことから、パブリックアートがあることでその場所の文化度が上がると感じる人が多いと考えられます。ノーベル化学賞受賞者で芸術に造詣が深い野依良治先生は、「公共建築にパブリックアートが設置されることで、その建物の資産価値は30%上がります」と語っておられます。また、「待ち合わせに便利」と答えた人も多かったことから、実用的な効用もあると思われます。




② 1% FOR ARTについて
1% FOR ARTの考え方は、認知率が8.3%だったことを考えるとまだまだ充分に浸透しているとは言えない状況です。しかしながら、この考え方に対して好意的な考えの人は否定的な人に比べて5倍近くいたことから、多くの国民にとって受け入れられるポテンシャルを持っていると思われます。今後は、よりこの考えを広め多くの国民の賛同を得ていくことが必要だと考えられます。


③ 持続的な取組の必要性について
昨年実施した「ハチ公ファミリー清掃」によって、新たにパブリックアートの存在を知った人が1割以上いたことから、パブリックアートを設置したらそれで終わりではなく、清掃活動等の活動を継続的に行っていくことで、その作品が地域に浸透し人々に知られる存在になることが示唆されます。その街のシンボルであるパブリックアートをうまく活用することで、企業やブランドの文化的価値や地域との絆を高めることにも繋がります。今後は、このようなパブリックアートを活用した持続的な活動がますます必要になってくると考えられます。


今回、パブリックアートに焦点を絞りはじめて調査を行ないましたが、人々の芸術に対する考えを垣間見ることができました。こういった調査を今後も継続的に実施していくことで、より当協会の活動にも役立てていきたいと思います。
完全版レポートは下記PDFよりご覧いただけます。
パブリックアートに関する調査レポート(PDF8.5MB)