臨海副都心への玄関口を日本の美意識で鮮やかに彩ります
”琳派モダン”の平松礼二先生が描く四季折々の東京湾岸


ゆりかもめ(東京臨海新交通臨海線)の新橋駅に大きなステンドグラス作品がお目見えし、3月4日に除幕式行われました。これは日本画の平松礼二先生が原画を描かれ、「クレアーレ熱海ゆがわら工房」(静岡県熱海市泉)がステンドグラス作品にしたもので、題名は「四季・東京ベイ」です。


新橋駅のホームから、西口改札口に通じる階段とエスカレーターの一角3面を使って屏風のように設置された作品は、春の梅と桜、冨士を向こうにのぞむ夏の海、秋の紅葉を、鮮やかで大胆な装飾技法と斬新な色合いで表現しています。夏の海の空には東京の鳥で、新交通システムの名前の由来でもあるゆりかもめが羽を広げて浮いています。
平松先生は俵屋宗達や尾形光琳などの琳派に以前から惹かれておられます。19世紀末にフランスをはじめとするヨーロッパを席巻した美術潮流ジャポニスム(日本趣味)にも大きな影響を与えた琳派は、日本人の自然観や美意識を斬新で大胆な装飾技法で表現しています。「現代の琳派」という意味を込めて琳派モダンとも呼ばれている平松先生の作品「四季・東京ベイ」も装飾性に溢れ、外国人も多い乗降客の目を引きつけるでしょう。


株式会社ゆりかもめの櫻井務代表取締役社長は「新橋は臨海副都心への玄関口で、多くのお客様の心に潤いと安らぎを与えることを願っております」と述べました。
来賓で出席した日本交通文化協会の滝久雄理事長は「私は1972年から駅や空港などにパブリックアートを設置してきて、これが530作品目となります。この作品が皆様に末永く愛されることを祈っております」と挨拶。平松先生は「こういう場所に作品が設置され、画家冥利に尽きます。日本画の素晴らしさを感じ取ってもらえたら嬉しいです」と語りました。
ステンドグラス作品は日差しの角度によって表情を変えます。時間によっては鮮やかな色が床面を飾ります。ぜひ時間を変えて訪れてみてください。
このステンドグラス作品の設置は日本交通文化協会が企画し、一般財団法人日本宝くじ協会の社会貢献広報事業に応募して認められたもので、協会から株式会社ゆりかもめに寄贈されました。

