内外23名の美大生が受賞、世界7カ国から参集
グランプリに東京芸大の新谷聡子さん、国際グランプリに
米アートセンターカレッジオブデザインのアドリアーナ・アヴェンダーノさん


11月7日、第38期国際瀧冨士美術賞の授賞式が東京港区の明治記念館で開かれました。
午後5時から始まった授賞式では、まず当協会の滝久雄理事長があいさつしました。その中で滝理事長は「1980年に創設されましたこの美術賞は、この38年間に受賞者は700名を超え、その中には国際的に著名なアーティストや、文化・芸術の第一線で活躍されている美術大学の先生方も多くおられます」「受賞者の皆さんは、ぜひこの受賞を跳躍台として学校や国籍を超えて互いに交流し、世界の息吹を自分のものとして受容し、創作活動に生かしていって欲しいと思います」と述べました。


来賓を代表して東京藝術大学前学長で名誉教授の宮田亮平先生が「すばらしい賞をおめでとう」と受賞者を激励。続いて受賞者が一人ずつ演壇に呼ばれ、滝理事長から賞状と賞金を受け取りました。
今年は優秀賞に日本美大生13名、海外美大生7名が選ばれ、この中からグランプリは東京繪技術大学の新谷聡子さん、国際グランプリは米アートセンターカレッジオブデザインのアドリアーナ・アヴェンダーノさんに授与されました。また優秀賞に次ぐ審査員特別賞には日本から2名(東京藝術大学、日本大学)、海外から1名(独シュトゥットガルト公立美術アカデミー)が決まりました。
式の最後に瀧冨士美術賞(当時)の第1期受賞者で彫刻家の青木野枝さんが「彫刻家とか美術家というのは職業ではなくて生き方の一つで、制作するということは世界に自分の居場所を作っていくことだと思います」と受賞者にエールを送りました。


授賞式に引き続く懇親会のオープニング・イベントでは、世界的なバイオリニストの東京藝術大学の澤和樹学長と、奥様でやはり著名なピアニストの蓼沼恵美子さま、お嬢様でバイオリニストの澤亜樹さまのご一家が、素晴らしい合奏を披露してくださいました。
3時間近い懇親会では、内外の受賞者や教官が交流し、学生たちは教官から制作について参考になる多くのアドバイスを受けていました。また学生一人ひとりが入選作の映像を前に制作のコンセプトや将来への豊富を語り、温かい拍手を浴びました。


なお授賞式の前日、内外の受賞者と指導教官が「クレアーレ熱海ゆがわら工房」(静岡県熱海市)を見学し、工房のスタッフから陶板とステンドグラスのパブリックアートがどのように作られるか説明を受けました。このあと一行は実際に陶板とステンドグラスを使ったワークショップで作品を造り、これは懇親会場に飾られました。

