道南の豊かな自然をテーマに五十嵐威暢氏が描き下ろした「ムクムク 水と光と大地に捧げる詩」
歴史ある美しいドイツ製手吹きガラスを現代の技術LEDが照らす新しいパブリックアートです
北海道新幹線(新青森~新函館北斗間、149キロ)が3月26日開業しました。北海道の新たな玄関口となる新函館北斗駅には多くの乗降客の流れが生まれています。この駅の新幹線改札口正面で最初に目にするのは、北海道出身で彫刻家・デザイナーの五十嵐威暢先生によるステンドグラスのパブリックアート作品です。開業に先駆け3月19日にお披露目の点灯式が行われました。
「ムクムク 水と光と大地に捧げる詩」と題されたこの作品は、滝川市出身の五十嵐先生が大沼国定公園を中心に広がる北海道道南の豊かな自然をテーマに原画を描かれ、クレアーレ熱海ゆがわら工房(静岡県熱海市)で半年以上をかけてステンドグラス作品に仕上げられました。約85色、420ピースのガラスを使用した作品は5つのテーマからなり、「じゅんさい沼」 「駒ケ岳」 「大沼・小沼」 「花のイメージ」(2種)を表しています。ちなみに北斗市の花はマリーゴールドで、五十嵐先生はこれも念頭にも入れて制作されたそうです。
点灯式には五十嵐先生、高橋はるみ 道知事、高谷寿峰 北斗市長のほか、JR北海道やJR東日本、国土交通省などの関係者が出席されました。ご来賓の祝福のご挨拶やスピーチのあと、五十嵐先生が次のように述べられました。
「今回は過去のステンドグラス作品の枠を破り、自由で複雑な曲線を実現しました。長い歴史で培われたドイツ製の美しい手吹きガラスと、LED光源という現代のテクノロジーの組み合わせによって光の造形ルーチェ・アルテが可能となりました。日中でもいいのですが、できたら夜見ていただきたい」
このステンドグラスは公益財団法人日本交通文化協会が企画し、JR北海道の協力のもと、西武グループ(株式会社西武ホールディングス、株式会社プリンスホテル)の協賛により設置が実現しました。新函館北斗駅を利用されるときには、ぜひこのルーチェ・アルテ「ムクムク」をご覧ください。