雄大華麗な作品が青空の下に再登場
1月15日、移設、除幕式が行われました
東京・池袋のサンシャインシティ(豊島区東池袋3)の西街区1階の表正面に片岡球子画伯(1905年~2008年)の陶板レリーフ(壁画)「江戸の四季」が移設され、1月15日午前、除幕式が行われました。
この陶板壁画は1978年にサンシャインシティの開業に合わせて制作されたもので、片岡画伯が原画を描き下ろし、同画伯の監修のもと壁画家のルイ・フランセン氏が造形を担当しました。これまで「サンシャイン60」地下1階のメインエントランスを飾っていましたが、今春、サンシャインシティがリニューアルされる一環で移設されることになったものです。
除幕式ではサンシャインシティの鈴木誠一郎社長が「装いも新たにお披露目することになり大変喜んでいます。街行く人にこの壁画を愛していただき、また待ち合わせ場所としても使っていてだければ嬉しいです」とあいさつ。また壁画を作った立場から日本交通文化協会の滝久雄理事長が「人々に時代を代表するアートに触れてもらうのが大切、という思いでパブリックアートを設置する活動を続けてきました。現在、全国に511作品設置しましたが、片岡画伯のこの壁画は14作品目です。この後、片岡画伯は日本美術院理事、日本芸術院会員になります。その意味でも節目となる作品です」と語りました。
続いて除幕が行われると、青空の下に縦3.3m、長さ14mの雄大華麗な陶板壁画が現れ、一斉に拍手が起こりました。足を止めて見入る人もいました。
「江戸の四季」は江戸時代、いろいろな場所から眺められた霊峰富士が力強いタッチで描かれています。今回の移設にあたっては、日本交通文化協会もかかわる「クレアーレ熱海ゆがわら工房」に壁画を一度運び、陶板のブロックをばらして一つ一つ洗浄した上で組み立て直しました。設置された場所は、池袋駅から歩いて行くと丁度入口正面にあたります。自然光の中の壁画は地下の照明の下で見るのとはまた違い、ぜひご覧に足をお運びください。
来賓で出席された画伯のお嬢さんの片岡佐和子さんは「これは母が73歳の時の作品です。きょう外の光の中で見ると一層鮮やかで、母も喜んでいると思います」と語っておられました。