立川駅「光と緑の祀り」
ひかりとみどりのまつり
信楽陶板

信楽陶板レリーフ「光と緑の祀り」 原画:佐藤圀夫
JR立川駅自由通路壁面 1983年4月完成

作家より

佐藤圀夫日本画家【陶板レリーフのモチーフ】

「雑木林の武蔵野は消えてしまうだろう
しかし武蔵野はここに残っている
駅に集まり駅から散ってゆく人々に
日々ささやきかける野の風となって
光と緑の祀りを刻んだ」

原画制作の依頼を受けてから仕上げるまでの期間は、いま思えば一夜の夢を見た思いなのです。早速、方々の壁画を見て歩き、壁画とはいかなるものかを知ることから始めなければなりませんでした。立川市ゆかりの欅の木の写生、コブシの花の資料集め、鳩を入れるようにと要望があったことなど、考慮しながら構想を練りました。
朝夕通勤の人達が目にするものなのだから、爽やかで明るく楽しく、現代建築にも調和して、後々までも古さを感じさせないテーマをなどと制約を課しながら、ようよう出来てお渡しした次第です。いつもの絵の制作とは違って、精神的に高揚し、充実したときを持つことが出来たことを幸せに思っております。それだけに、本来の自分とだいぶ違ったものになったおんではないかという思いが残りました。
ところが先日、造形作家のルイ・フランセン氏の西欧的な感覚によって造形されて、原画からは思ってもみなかった力強い見事な陶板レリーフになっているのを見る機会を得て、驚嘆し、かつほっとしているところです。

作品によせて

美術評論家
中村渓男
『光と緑の祀り』と題して立川駅を飾ることになった陶板レリーフは武蔵野のおもかげを最後に残す駅頭にふさわしい作品である。
虹が立つ中に欅樹のおい茂る武蔵野の緑は香ぐわしくこの地を代表している。そこに生じた戦前、戦後を通じて息づいた立川といういまわしいイメージをかなぐり捨てて、明るく清らかで新しい平和の光に輝やく空には今はその跡形もなくその片鱗すら残っていない。それを示すかのように平和の象徴である多くの鳩を舞わせ、市のシンボルマークであるコブシの花の小枝を鳩についばませ、勢いよく飛びかっている。
最近、市の周辺は都市化の進むにつれて、失われつつある自然環境の良さが、ここ立川にはまだまだ多く残っているのは、14万の立川市民にとって大きな誇りであり、遺産の巾の広さを物語っている。それをいつくしむ心と思いをこめて、壁画制作として残しておきたい気持は大変意義あることである。近代という世相の大きな流れを象徴するうねりと光のまぶしい感覚を折りまぜた大胆な構想が壁面の中央を横切り、そこに髪を風になびかせたフレッシュで健康的な女神と思われる姿を中央やや右に配し、その息づかいが周囲にこだまして、立川の自然美の中に溶け込んでいる。
この図の原画は日展評議員で文部大臣賞に輝やき、現在活躍している日本画家佐藤圀夫氏<1922->により起案され、見事な出来栄えである。その造形をルイ・フランセン氏に委ね、多摩中央信用金庫の協賛を得、また(財)日本交通文化協会の援助によって、このほど完成の運びとなった。
このレリーフは立川のシンボルの一つとなることは確かで、駅に出入りする人々の心をなごませ、新たなる息吹きと発展を約束するものとなることを期している。

立川市長
岸中士良
大壁画『光と緑の祀り』の完成おめでとうございます。昨年の彫刻モニュメント『緑の川風』に続いて、また一つ新しい立川をシンボライズする壁画がお目見えすることになりました。タテ3.5メートル・ヨコ10メートルの壮大な陶板レリーフには、躍動する立川市をイメージする女性が、美しい武蔵野や多摩川の自然を背景に描かれており、立川の玄関を飾るにふさわしい立派な作品であると信じます。画面の一部には市の花であります「コブシ」も取りいれられており、立川の姿が総合化されていると思います。
立川駅は、多摩地区の交通の結節点としてもきわめて重要な役割をもっています。今後ますます発展していく立川市の核として日々駅をご利用になる市民の皆さまが、このすばらしい芸術に接することにより、わが街に対する誇りと将来に対する夢を託していただくようになればと念じています。ややもすれば、室内に閉じこもりがちな芸術を駅のコンコースという公の場に設置し、数多くの人びとに見てもらうというこころみが、いま財団法人日本交通文化協会の企画で全国の駅に広がっていると聞いていますが、地域の文化高揚に大変有意義なことであると思います。
本壁画実現にあたりまして、原画の佐藤圀夫先生、造形のルイ・フランセン先生、ご尽力ご協力いただきました国鉄、多摩中央信用金庫ならびに財団法人日本交通文化協会に対し心から敬意を表します。

東京西鉄道管理局長
井上六郎
昨年立川駅に待望の新駅舎が完成し、すっかり新しいイメージで生まれかわった自由通路に、この度多くの方々のご尽力により見事な陶板壁画『光と緑の祀り』が設置され、いよいよ除幕の運びとなりました。今か今かと心待ちしていた芸術の誕生だけに、感激もひとしおです。
この壁画が、年々増加する立川駅利用のお客さまにご覧いただくことにより、一日の英気を養ったり疲れをいやす清涼剤となり、また青少年に対しては郷土の美しさや将来の夢を与えるシンボルとなれば、これ程うれしいことはありません。
制作に際し、佐藤圀夫画伯ならびにルイ・フランセン先生のお手をわずらわせ、立川市・多摩中央信用金庫ならびに(財)日本交通文化協会のご協力の下に本企画が実現したことを記し、衷心からお礼申しあげます。私どもも新しい気持ちで地域の皆さまのご期待に添えるよう一層の努力を続けてまいりたいと存じます。

作品データ

原画佐藤圀夫 企画立川市、日本交通文化協会
場所立川駅自由通路壁面 マップ 製作日本交通文化協会造形:ルイ・フランセン、製作協力:クレアーレ熱海ゆがわら工房(旧 現代壁画研究所)
設置時期1983年 4月 協賛多摩中央信用金庫
種類信楽陶板 ニュース
サイズたて3.5m × よこ10m
キーワード武蔵野 、欅の木 、木 、コブシの花 、花 、鳩 、鳥

作品データ

原画佐藤圀夫
場所立川駅自由通路壁面 マップ
設置時期1983年4月
種類信楽陶板
サイズたて3.5m × よこ10m
キーワード武蔵野 、欅の木 、木 、コブシの花 、花 、鳩 、鳥
企画立川市、日本交通文化協会
製作日本交通文化協会造形:ルイ・フランセン、製作協力:クレアーレ熱海ゆがわら工房(旧 現代壁画研究所)
協賛多摩中央信用金庫
ニュース

マップ

この付近のパブリックアート

モニュメント
1982年 9月
立川駅
「緑の川風」
(12m)
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